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第4日(6月23日・木) コルプス(フランス)〜ジャヴェノ(イタリア) 348km
コルプス村を通る道路(国道85号線)は「ナポレオン街道」と呼ばれている。 ナポレオン1世がプロシア・ロシア・オーストリア連合軍に敗れて1814年に退位して流されていたローマ皇教領のエルバを1815年に脱出してカンヌに上陸してパリに戻り帝位に復したときにたどった街道である。
コルプスからナポレオン街道を40kmほど南へ下りガプ(Gap)の町から東へ転じスルポンソン湖(人造湖Lac
de Serre-Poncon)の展望台で休憩。 パルペヨン山地(Parpaillon)を南から北へ入りヴァルス峠(Col
de Vals 2111m)で昼食。この峠にも多くのライダーが集まっている。
ライダースーツとライダーブーツでかためたタンデムライダーが大型スクーターのトップケースに犬を入れている。 ふたを開けたケースにちょこんと収まっているこの犬は声を掛けるとポーズまでとってくれた。
レストランのメニューはフランス語で書かれているので、好みではないがその中で唯一読めたスパゲッティを仕方なく注文したが、他のメンバーがもっとうまそうな料理を注文しているのを見て、彼らはフランス語のメニューが読めているのではないかと疑った。
予定ではイゾアール峠(Col d'Izoard)を越えてブリアンソン(Briancon)へ抜ける予定であったが、冬季閉鎖のこの峠はまだ開通していないため、アグネル峠(Col
Agnel 2744m)へ回りイタリアへ抜けることとした。 峠へ向かう氷河の谷の道路は狭く、徐々に樹木も途絶え沢には雪も残る。 アグネル峠に近づくにつれて急勾配となる九十九折りが長く続くワインディングロードはこれまでにない厳しさで、一同峠に到着するや満足感で「やったー」と、迂回したことを喜び合った。今登ってきたフランス側とこれから下るイタリア側の双方の谷を見下ろす展望もすばらしく去るのが惜しい一押しの「アルプスの峠」である。
フランスとイタリアは共にEU加盟国であるので旅行者にとっては「国境」はほとんどないに等しいが、この峠の国境を示す石碑の前の道路は、国境線をはさんで道路の舗装方法と側道の表示の仕方が異なるのが面白い。 この峠はまたヨーロッパ大分水嶺である。すなわち地中海に注ぐローヌ川流域とバルカン半島のアドリア海に注ぐポー川流域を隔てている。
イタリアへ入り標高がどんどん下がるにつれて、これまで体験していなかった暑さにまいった。 サルッツォ(Saluzzo)からピネロロ(Pinerolo)を経由して、渋滞にも巻き込まれながら宿泊地のジャヴェノ(Giaveno)のリバーホテルに着いたときは皆ぐったりであった。
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