| 富士見峠(1561m・野反峠とも) 野反湖 |
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ここは県境から外れている分水嶺。県境はここ国道405号線を左(北)に下った野反ダムの先にある。国道405号線はダムサイトで途切れて、その先は地蔵峠を経て渋沢から切明へ至るハイキングコースとなっており、車はおろか自転車さえも通れない。国道は切明から再び整備されて2005年の豪雪で有名になった秋山郷を経て津南町に至る。 ここは道路を少し切り通したので元の地層の切断面が現れ、道路面から約2mほど高くなっているその断面の一番高い部分がここの分水嶺の切断ポイントとしてよく見える。私はその真下にバイクを停めて、「ここだ、ここだ。」と、はしゃいでしまった。一方「峠」は道路が水平面になったところであるので、バイクのシフトをニュートラルにして前後に押してみてその感覚でそのポイントを確かめた。 この峠は後方の八見山への登山口になっている。 |
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富士見峠から野反湖を見下ろす。発電用の人造のダム湖である野反湖はこの分水界付近の高地湿地帯の野反沼を飲み込んで出来たから他のダム湖とは様子が異なりやさしく幽玄な感じがする。 どのような事情でここでは分水界と県境(国境)が違っているのか、行政上、水利権上、県境を分水界にあわせて引きなおした方が自然に思えるのだが。このダムと湖は群馬県内にあるが、水は長野県側に供給され東京電力切明発電所で電気を起こす。 この極めて特異的な場所、(面積にして約10平方キロ強のおむすび形の土地)にどうしてダムと湖を造ったのか興味がわく。この場所を利用して、群馬県が国にダムと湖を作らせ、長野県から多大な金銭的補償を得ているのかもしれない。いわば「場所貸し料」、「天水分け与え料」である。あるいは県境などおかまいなく東京電力の強い政治力でそうなったのかもしれない。 県境と分水界が異なっているという不思議な場所は、この他には、やはり東京電力絡みの尾瀬沼や、滋賀県(近江)と福井県(若狭)との境の若狭街道(国道303号線)の水坂峠と熊川宿の間が有名である。小さい例では、同じ長野県内ではあるが、塩尻市(旧塩尻市および旧木曽郡楢川村)と辰野町との市町村境界と分水界が県道254号線(楢川岡谷線)の牛首峠のところで異なっている。 |