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キークリック 2010629()    


きょうは従兄の千葉一三さんと月例の食べ歩きの会で中華街へ行きました。 平日の昼前でしたので大通りの人通りも少なく静かでした。 私達の行き付けているのは均昌閣です。

この会の3度目の中華街ですので、きょうは萬珍樓点心舗の飲茶にしました。 一三さんはスモーカなので最近はどこへ行っても肩身の狭い思いをしていますが、萬珍樓は立派な個室が喫煙OKでした。 さすがに大きな店なので喫煙設備を整える余裕があります。 


  

最近パソコンのキーボードの特定のキーの戻りが悪くてミスタッチをすることがあります。 そこでキーボードのすべてのキーを外して内部を清掃しました。 今使っているキーボードは無線式で購入してから半年程度しか経っていませんが、予想通りキーの下は埃だらけでした。 この部分は普段目に触れないところなので多くの人は気づいていないかも知れませんが、それはそれはひどいものです。 普通の人はこの部分の清掃はしないと思いますが、細かいところや普通の人が気にしないところをきれいにしたいというおかしな性癖をもった私は、はやり気になるのでやってしまいます。 パソコンのキーボードのキーは上に引っ張れば簡単に外れるような構造になっています。 中にはそうでない機種もあるかも知れませんから保証はしかねますが、たいていはそうです。 すべてのキーを引き抜いて、その酷さをご自分の目で確認してください。 自己責任でお願いします。 ほこりを取ったらまた100個ほどあるキーを元に戻してください。 そこでどのキーをどこへ戻したらいいのかはパズルです。 ブラインドタッチを完璧に出来る人でもこれは結構難しいパズルです。 指は覚えていても頭が覚えていないからです。 これでキーの動きが良くなるかどうかは別問題です。 コーヒーをこぼしたりしてキーを支えている部分がひどく汚れてしまって動きが悪くなっている場合などはこの汚れを拭き取るだけで動きがスムーズになるはずです。 なおコーヒーをこぼしたときは、すぐにキーボード全体をきれいな水の中に漬けて汁気を洗い流し、その後何度もきれいな水ですすいで自然乾燥させればたいていは問題なく復帰するはずです。  これはあくまでデスクトップパソコンのキーボードの話でノートブックパソコンの場合には当てはまりません。 私は一度ノートブックパソコンのキーを外したら小さなプラスチックの部品が欠けて、元に戻らなくなってしまい修理に出したという苦い経験を持っています。

 

キーボード全体に被せる樹脂製のカバーを売っていますが、これは車の本革シートに布のカバーを被せるのに似てビンボー臭いし、タッチ感を考えるとあまり使いたくありません。 キーボードは安いものですからダメになったら買い換えるのがよいと思います。 キーボードを買い換えるだけで気分がずっとよくなります。 いろいろな種類、色、形、機能、接続方式のキーボードが店頭にならんでいます。 私はマウスとキーボードの双方を一つのUSBレシーバーで受信する無線式を使っていますが、これはケーブルの呪縛がないので、とても快適です。 2.4GHzで通信する最近の無線式はUSB受信器が結構離れていても問題なく使えます。 

 

キーボードは安いからといって馬鹿にしてはいけません。 単なるスイッチではありません。 パソコン初期のころはIBM製が最高でした。 なにが良いかというと、「クリック感」です。 クリック感というのは、押し始めてから実際にスイッチが入るまでのちょっとした抵抗感です。 これが強すぎてもいけないし、弱かったり、ひどい場合には、特に安物の場合には、クリック感のないものもありましたが、使いにくいものです。 マイクロソフトのものも値段も高かったですが、結構よく作られていました。 今の店頭に並んでいる安いキーボードも店頭で触って見る限りみな適度のクリック感があるように思います。 

 

このクリック感というのはもともとのIBMタイプライターからの技術を引き継いでいます。 手動式の場合は結構指に力が入りますし、活字が紙にきちんと当るときに均一の力がかかるようにキーを押す瞬間の指の力とスピードが大事でした。 プロのタイピストが打ったものと、私達素人が打ったものでは文字の美しさが違っていました。 この手動式のタイプライターからIBMの電動式のタイプライターに変わって、この指先の技術が開放されて誰が打っても均一な力で活字が印字されました。 この時のIBMの電動タイプライターのキーボードにはスイッチとは言え、その押した感覚を維持するためにクリックがつけられました。 これがキーボードのキーにクリックが付けられたはじまりです。

 

しかし、しかし、違うのです。 なにが違うかというと、このキーボードのキーのクリック感を作り出したのは実は、400年以上も前のことです。

 

オルガンとチェンバロです。 

 

チェンバロは細い金属の弦を鳥の羽で引っかいて音をだします。 キーと羽の付いたジャックと呼ばれる棒は直接接しており、弾く瞬間にクリックします。 この時のクリック感は演奏者にとってとても大切な感覚で、弱くてもいけないし、強すぎてもいけないし、クリックする瞬間のキーの位置(沈みの深さ)も厳密に一定でなければなりません。 但し2段鍵盤などで弦が2本乃至3本付いたチェンバロでは音色や音の大きさを変えるために、操作によって1本単独あるいは2本と3本を同時に引っかくように変更できます。 この場合は1本だけの時より2本、3本と重ねた方がクリックは当然強くなります。 そうすると弾きにくいので微妙に弾くタイミングを僅かにずらしてその力を分散するように調整します。

 

オルガンの場合も実はキーはクリックします。 これはキーを押すとそれに相当するパイプの弁が開きますが、通常弁はスプリングに力や空気の力で押されて閉じています。 それを開けるのですから、ある程度の力が必要です。 ところが一旦弁が開いてしまうと、その力が開放されて逆に軽くなります。 それがオルガンのキーボードのキーのクリック感です。 これも多くのパイプを同時に鳴らすとキーは重くなります。 18世紀までのオルガンはすべてキーに加えた力をロッドや針金などで押したり、引いたりして弁を開閉する機械式(メカニカルアクション)でした。 この方式は多くのパイプを鳴らすときは結構強い力でキーを押さなくてはなりませんでしたが、「空気の力」をうまく利用した工夫をしたものはありました。 19世紀になると空気の力を利用して弁を動かす仕組み(pneumatic action式 ニューマティックアクション式) のオルガンが増えて来ましたが、これはキーを押しても弁が開くまでに若干の時間遅れがあるという問題を抱えていました。 その欠陥を嫌って、現在作られているオルガンのほとんどはメカニカルアクション式に戻っています。 このクリック感はオルガン演奏上、とても大切で、優れたオルガニストはこれを利用して弁の開閉の速度を変化させて音の出と音の止まりを制御するのだと聞いています。  かつては電気式でキーは単なるスイッチで弁は電磁石で開閉するものがありましたが、結婚式場など使われるものにはそれが残っているようです。

 

ピアノを弾いている人が始めてチェンバロやオルガンのキーに触ったときに抱く違和感がこのキークリックです。

 

電子オルガンというものがあります。 ヤマハのエレクトーンのことではありません。 パイプ式のオルガンの代用として考えられた楽器です。  この電子オルガンは最新の技術の固まりで音色は実際のオルガンの音を採取してそれを電子的にコンピュータを使って処理して本物のパイプ式のオルガンと全く違わないような音を出すようになっています。  これはなかなかのもので馬鹿にしたものではありません。  音の立ち上がりや吹き終わりの雑音まで再現するようになっています。  オルガン専攻の音楽学校の学生達の自宅には必ずこの電子オルガンが備えられているはずです。 パイプ式のオルガンは極めて高価ですが、購入の価格の高さというバリヤよりもそれをメンテナンスすることの大変さのために、実質を重んずる教会などでは電子オルガンを設置しているところは多いです。 これは一つの見識です。 このパイプ式のオルガンの代用としての電子オルガンのキーボードはうまく出来ていて、パイプ式のオルガンと同様にクリックするように設計・製造されています。  最近電子楽器の大手のRoland が売り出した電子チェンバロ もキーがクリックするように作られています。  家庭用の電子ピアノや電子オルガン、それにジャズやポップで使われるキーボード楽器はほとんどクリックはないようです。

  

「キークリック」について、私の知っていることを書きなぐりました。


 

具合悪かったキーは Shift キーです。 このキーは Space キーと同様に横に長いので、その端の方を押すとキーがまっすぐ下りない為にひっかかるのだということです。  上等なキーボードはそれを防止するためにスタビライザという機構が組み込まれているようです。 安いものにはスタビライザが組み込まれていないと書かれている記事がありました。  私のキーボードも長い長い Space キーはスタビライザが組み込まれていましたが、Shift キーにはそれがありませんでした。 確かにこれは安物です。 店頭ではスタビライザの有無はわかりませんので、ある程度の値段のものを買うのがいいのかも知れません。 メーカー品でも数百円から2万円弱まで値段の幅は極めて広いです。


 

この Shift キーの具合を確かめるために繰り返して押していたら、下のダイアログボックスが現れました。 知らなかったのですが、 Shift キーを5回繰り返して押すと、固定キー機能というのが起動します。

保存が Ctrl + s 、コピーが Ctrl + c、すべて選択が Ctrl + a など良く使う方法ですが、固定キー機能をオンにすると1Ctrl キーを押せば後はキーを離しても c を押せばコピーになり s を押せば保存になる、という使い方ができるようです。 しかしこれまで二つのキーを同時に押すのが慣れてしまっているので、この固定キー機能の出番はないようです。

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