

日本もグローバルな
PM推進に貢献を
JPMF国際交流部会副部会長
永田 峻 氏 (日揮(株) |
毎年PMIシンポジウムに参加しているが、ここ数年情報・通信系の参加社と論文発表が多くなったのが特徴的だ。
シンポジウムに先立ち、PMIやヨーロッパを中心とした各国のPM協会の連合体であるIPMA(International
Project Management Association)、日本の(財)エンジニアリング振興協会(ENAA)など世界のPM組織の代表で運営されているGPMFの全体会議が開催された。GPMFではENAAもPMIやIPMAと共にPM分野のグローバル化や国際協力に関して積極的にリードしてきた。
GPMFではPMの国際的な資格認定制度に関してはPMIのPMP制度(本文参照)とIPMAのコンピタンスを基準とした制度とのすり合わせをはじめ、標準化、教育、研究、協力態勢などの6分野でのグローバル化と国際協力が議論されている。
今回の全体会議では、PMのグローバル化に向けた各分野のワーキング・グループのアクションプランが発表された。これを実行するために今後各組織の代表が議論を深めていくことになり、日本からは標準化のワーキング・グループに私が参加することになった。グローバル社会の一員である日本として、PMの分野でも応分の負担と、積極的な提言をしたい。GPMFは国の利害をぶつけ合うのではなく、グローバルな視野でPMのプロモーションに貢献するだろう。
PMP合格者が日本でも急増し、PM導入の機運が芽生えた。鍵となるマネジャーのコンピタンスとPM実践標準に関する基準は重要度を増すだろう。(談)
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PMIは常に
グローバルレベルで
PM技術の向上を図る
Ms. Sandra Adris, PMI
Marketing Manager
(Newtown Square, PA, USA) |
PMIは、PMのプロフェッショナルが世界から5万人以上参加し、世界に200以上の支部を持つ、この分野では最も注目度の高い団体だ。
Project of the yearは、世界中のPMに精通したエキスパートたちによって審議され、その年に最も模範的で、優れた効果と実行力があったプロジェクトに与えられることになっている。今年も、世界各地から受賞を目指してさまざまなプロジェクトがその地域のPMI支部から推薦された。
PMIでは、以前からPMの標準規格として「PMBOK」という手引書を発行している。これはすでに「PMの最も基本的で、重要な知識を記述した書籍」として知られ、30万部以上が販売されているが、最終的な準決勝レベルでは、このPMBOKにどれだけ的確に準拠しているかが採点される。
今年の最終選考では、千代田化工と原子炉を効率的に解体・保管するプロジェクトのデモンストレーション、ボーイングのFA18ホーネット戦闘機プロジェクトの三者がいずれも優劣を付けにくい実力で競い合ったが、千代田化工は最も高い得点を得て、受賞企業に決まった。
千代田化工のプロジェクトは、世界中で実行されている高度なプロジェクトの中のひとつとしてPMI東京から推挙された。何よりもまず北米以外の地域での受賞は今回が最初で、この事実はPMI東京をはじめ、プロジェクトを遂行したすべての人たちが栄誉に思うべきだ。今後も日本でのPMの発展を願っている。
(談)
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PMの実行力が
企業の命運を
左右する時代
Ms. Mitsuko Akimaru,The RIZE Corporation (Newyork,
USA) Senior Vice-president |
現在、当社はアパレルの企画、流通、卸、小売りをトータルに行っているが、各部門の拠点はパリ、上海、東京、そしてニューヨークにあり、それぞれが独立した企業として活動できる高い機能を持っている。
アメリカでは、企業の動き方がシンプルで、スピードと柔軟性に富む。これは部門単体での、責任、権限委譲がしっかりと行われているからだろう。
今後PMは、ITやインターネットなどと一体化することで、場所と時間を有効利用するために不可欠な手段になると私は考えている。グローバルレベルで、完璧な、しかもリアルタイムな情報をいかに組織化できるかで、PMの成否が決まるだろう。
事業のヘッドとなるオフィス、旗艦となるショップはSOHO地区にこだわり、中核となるポジションでも最小限の日本人以外は現地での人材起用をあえて推進した。当社はアメリカで設立、登記された純粋なアメリカ企業なのでまずアメリカにとけ込み、この国にしっかりと根を下ろすことに心血を注いでいる。
ニューヨーク本社をはじめ、各スタッフは、民族性や文化、考え方が違う。そういう環境で、プロジェクトに対して共通の目的と、自らの仕事内容を正確に理解させるのは大変難しい。
それらの課題を実現するには、ビジネスの基本とも言える、一人ひとりに目標を自覚させ、仕事の成果に対するモチベーションをはっきりと認識させる必要がある。その基盤として、だれもが納得できる人事評価が求められる。プロジェクトの完成度を高めるにはやはり、当たり前とも思えるポイントが重要だ。(談)
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Project
of the
year受賞を
PM普及の
先駆けにしたい
千代田化工建設(株)参与
石倉政幸
氏(エンジニアリング振興協会PM部会長) |
創設10年目のProject
of the yearを、北米地域以外で初めて受賞できたことは、
我々にとって大きな名誉で、喜びに堪えない。カタールの液化天然ガスプロジェクトは、PMの新しい技法を駆使することで、大規模なプロジェクトにもかかわらず、5年の歳月をかけて成功裏に完工できた。入社以来、30年以上にわたってPMにかかわってきた私にとっては、まさにPMの集大成という思いが強い。
このプロジェクトには、当社スタッフをはじめ、技術者、関連企業で何万人もの方々が協力してくれた。この受賞は、千代田化工というより、プロジェクトに携わった全員が評価された結果だと私は思っている。このプロジェクトに参画された方々には、心からお礼を言いたい。
PMに関してはエンジニアリング振興協会PM部会でも、20年来PMIとの相互協力で技術力の向上を図ってきた。先輩諸氏の長期間の努力を振り返ると、それに報いることもできたのではないかと思え、感慨無量だ。
PMは、その効率性や機動的な運営手法が評価され、いまは単独のプロジェクト運営だけでなく、多数のプロジェクトを統括する時代となっており、さらに企業全体の経営を見据えるエンタープライズドPMが2000年以降のキーワードとなってくる。この手法は業種や分野を問わず普遍性があり、21世紀には日本でもますます普及していくものと確信している。今回の受賞が、日本のPM普及の起爆剤となれば幸いだ。(談)
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