| 2017年1月19日(木) |
更新
|
管絃
「管弦楽」は元は「管絃学」と書いた。 管絃の絃という文字は戦後に制定された当用漢字から外されて「弦」に統一されてしまった。 今は管弦楽とか弦楽器とか書くが、1953年に出版された伊福部昭の大作は「管絃楽法」
である。 本のタイトルにはどんな文字を使おうが自由であった。 画像は1968年出版の増補版上巻と下巻。 
その後何度かの改訂を重ねているが、現行の本
(2008年) もタイトルは 「完本 管絃楽法」
(音楽之友社) となっている。 
雅楽では必ず「管絃」と書く。 琴、三味線、三線の弦は「糸」というが、雅楽で使われる筝や琵琶の弦は「絃」と書く。 弓偏の弦は弓の弦や円周の2点を結ぶ直線や月の欠けた部分など、いずれも「ゆみづる」を思い起こさせる。 一方糸偏の「絃」はもともとは絹糸
(偏の糸は絹糸を撚ったものを表す象形文字)、それも黒い糸
(旁の「玄」は黒い糸を束ねたものを表す象形文字で、それを組み合わせて(形声文字)として成り立ち、同じ読みを持つ弓偏の「弦」に通じて
(同じ意味を持つように) になり、楽器の「いと」には絃の文字を当てるようになった。 当用漢字から外れたことにより戦後は人名に使うことができなくなったが、平成2年の法務省令第5号「戸籍法施行規則の一部を改正する省令」
(1993年3月1日)で「人名用漢字別表」に追加された。 ちなみに私の名「峻」は
1981年10月1日の省令で人名用漢字に追加された。 1948年から1981年の間に生まれた人
(36歳から69歳)
の名前には「峻」という文字はないことになる。
|