きのう昔仕事をしていた会社の跡地を訪問して退職者の親睦団体である「日揮OB会」のことを書いたら、自分が働いていた頃の仕事や会社の人たちのことを思い出していた。 もう関係ないとスパッと縁を切ったつもりで定年退職の日に大見得を張って啖呵を切ったのに・・・・・・。
私の仕事はプロジェクトマネジメントだった。 私の後輩で「プロジェクトマネジメントというもの」を世に教えることを業にしている佐藤知一さんがブログやウェブサイト「タイムコンサルタントの日誌から」でエンジニアリング会社での労働の時間の管理について紹介しているのを読んで、私の日揮の時代の「時間の管理」について振り返ってみた。
プラントを受注すると、それを遂行する業務全体を「プロジェクト」という単位ですべてが管理される。 それを実行する人の集まりが「プロジェクトチーム」でその責任者が「プロジェクトマネージャ」で大きなプロジェクトから小さなプロジェクトまですべて同じである。 プロジェクトチームにはそのプロジェクトに必要な社内リソースと調達機材費、工事費などからなる「実行予算」が割り当てられてプロジェクトマネージャはその予算の中でプロジェクトを完遂する責任があり、予算の割り振り、社内人材の確保、手順とスケジュールの組立を行う。 プラントの設計や資器材の調達、品質管理、現地での建設業務などは担当する部門
(専門部と呼んでいる)
の指名されたメンバーが実行する。 それぞれの部門にはプロジェクトマネージャから時間予算
(Man-hour マンナワー)
が割り当てられる。 関わるメンバーの一人ひとりがどのプロジェクト
(Job Code) のどんな仕事 (Work breakdown) をしたかを5分単位で毎日記録して入力することになっている。 各部門の責任者
(部長・マネージャー)
達は毎日毎日その管理に追われる。 仕事の進み具合
(Progress)
と消費したマンナワーとの整合性が常に監視される。 それを監視してプロジェクトマネージャに報告し、予定よりも遅延している場合はその改善手段を作成し、各部門に対して事前に警告を発するなどの役目がプロジェクトコントロールマネージャと呼ばれるプロジェクトマネージャの参謀役である。
プロジェクトマネージャはほとんどがこのプロジェクトコントロールマネージャを経験しているが、実はプロジェクトマネージャは細かいことにだけ目を向けているわけにはいかない。 顧客側や社内の各部門長との腹のさぐりあい、社内人脈の醸成
(酒を飲めない人には無理かも)
、時には怒り、時にはなだめすかし、懐の深さもまた必要である。 日揮ではプロジェクトマネージャには「プロジェクト特別接待費」、通称「プロトク」という予算が付き、顧客との飲み食い、贈答、チーム内メンバーエンターテインメントなどにプロジェクトマネージャだけの一存で使われる。 大型のプロジェクトではこの「特別接待費」は使いきれない。 接待費を持たない部門長からずいぶんたかられた。
話が逸れた。
5分単位で時間を管理していたサラリーマン時代から離れて20年近く、今度は誰にも全く時間を管理されず、自分でも時間を管理する必要がなくなった現在、やりたいことをやりたいときにやり、やりたくないことはやらず、もしかしたら家族や周囲の人々には迷惑をかけているかもしれないが勘弁。
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