2003年9月の定年退職を目の前にして自分でも大言壮語だと思いつつ「退職後はオートバイでヨーロッパを走るのだ」と周りに言いふらしていた。 その年の7月に大型二輪免許を取り退職金の一部を割いてBMW
R1150RTを購入した。

定年退職後、自由になった時間を北は下北半島、西は四国の佐田岬まで一人で走り2年間で走行距離は2万キロを超えた。

2005年の初夏は北海道へとも考えていた4月、ディーラからもらったBMWモトラート社のバイクツアーの豪華なカタログを手に入れた。
ドイツの自動車メーカーであるBMW社は
"BMW Motorrad"
という商標名で同社のオートバイに関するセールス、アフターサービスなどのキャンペーンを展開している。
Motorrad の Rad
は「輪」で、「モートルラート」すなわちオートバイのこと。その
BMW Motorrad の一環として "International Travel and
Training Program" がある。これはBMWのオートバイを使用した世界各国の旅行とバイクライダートレーニングのプログラムである。毎年100ページを超える英語の立派なカタログが発行している。

BMWモトラート社はパートナー各社と共同してBMWオートバイを使った世界各国の旅行、トレーニング、バイカーズミーティングを企画している。そのパートナーのひとつであるミュンヒナー・フライハイト社(Munchner
Freiheit)はBMW本社のあるミュンヘンに事務所を持ち、ヨーロッパ各地をめぐるオートバイの旅を企画して運営している。
プログラムは目的別、主催者別に次の4つに分けられている。
BMW二輪車ライダートレーニング
(BMW Motorrad Rider Training)
アドヴェンチャ旅行
(Del Bondio Adventure Travel)
エーデルワイスバイクツアー
(Edelweiss Bike Trip)
ミュンヘンっ子の気ままな二輪車旅行
(Münchner Freiheit Motorrad-Reisen)
私が参加したのは
Münchner Freiheit 社が主催する「Münchner Freiheit
Motorrad-Reisen」 (そのまま読めば『ミュンヘンっ子の気ままな二輪車旅行』となるが、実際は
『Münchner Freiheit
社のバイクツアー』である)の中の「アルプス峠越え7日間」で、6月20日にドイツのミュンヘンを出発してアルプス山中に入りスイス・オーストリア・イタリア・フランスの各国の国境を行き来してヨーロッパアルプスの峰々をつなぐ数多くの有名な峠を越え、またミュンヘンに戻ってくる2000キロの旅である。
地理上の特異点としての「峠」は魅力的で旅行者を惹きつけてやまない。自然の面では降った雨がどの太洋に流れるかを決定する分水嶺であり、また文化の面では古代から人々が行き交う街道の行く手を阻む高い嶺々の突破点としてその苦難の開拓の歴史遺産であり、旅人に安堵と休らいの場所を与えるからである。
参加手続きはホームページでの申し込みと参加費の送金だけできわめて簡単。費用は7日間のBMW最新型バイクのレンタル、総合保険、ホテルと全食事代、それに専属のガイドがついて1560ユーロ(約21万円)の参加費、それに自分で手配する東京・ミュンヘン間の往復航空券(約10万円)だけなので、日本で手配する同種のツアーに比べて格安でもある。
走りながら実際の行程を記録するために日本でアルプス全体の道路地図を購入して持参した。しかしながら走っている間は地図を見ることはできないので、道路標示を記憶して休憩時にその記憶を頼りに地図に書き込み、旅行中の様子をできるだけ撮影して記録した。 今回の旅の目的は「峠越え」であるのですべての峠の写真を残すつもりであったが、帰って調べてみると越えた23の峠のうち8の峠の写真がなかった(添付「峠のリスト」参照)。
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